農業者年金は積立方式で,少子高齢化に対応した長期的に安定した制度です。
年金資産の運用も,安全かつ効率的な運用をして,その状況を毎年加入者にお届けします。
1.財政方式は「積立方式」を採用
現行の農業者年金制度は,自らが積み立てた保険料とその運用益により,将来受ける年金額が決まる「積立方式(確定拠出型)」が採用されています。
この積立方式は,保険料を支払っている方の数や年金を受給している方の数がどのように変化しても影響を受けにくい制度で,少子高齢化時代に対応した長期的に安定した制度となっています。
また,加入者の支払った保険料は,賦課方式ではその時々の高齢世代の年金給付に使われますが,積立方式では将来の自らの年金給付に使われるため,安心して加入いただけます。
<積立方式と賦課方式の違い>
積立方式 | 賦課方式 | |
保険料の性質 |
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年金額と経済変動の関係 |
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加入者の保険料の使途 |
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2.保険料など年金資金は安全かつ効率的な運用
加入者が保険料を支払ってから年金を受け取るまでの間,(独)農業者年金基金がその保険料や保険料の国庫補助金(年金資金)を運用して,将来の年金給付の財源とします。
年金資産の運用は,農業者年金では(独)農業者年金基金が一元的に運用しています。
年金資産の運用に関する基本的な枠組みは,安全かつ効率的な運用を基本とした運用を行うための基本方針を作成し,長期にわたり維持すべき資産構成割合を設定して,複数の資産に分散投資しています。 その年金資産の基本的な構成割合は,下記の円グラフのようになっています。
ついては,株式の平均的な市況が上がれば,農業者年金の保有する株式の価値も同じように上がり,市況が下がればそれに連動して下がるという運用をしています。
<基本となる年金資産の構成割合>
現行の構成割合は,国内債券70%(±10%),国内株式12%(±4%),外国債券5%(±2%),外国株式12%(±4%)となっており,安全性を優先しつつ,一定の利回りを確保するよう運用を行っています。
国内株式も,ある銘柄に集中することのないよう,東京証券取引所の株価指数である“TOPIX(トピックス)”と連動するように,約1,500の銘柄を組み合わせて運用しています。
ついては,株式の平均的な市況が上がれば農業者年金の保有する株式の価値も同じように上がり,市況が下がればそれに連動して下がる運用になります。
このように,基本的に運用の枠組みをあらかじめ決めておき,それに従って,安全かつ効率的な運用に努めています。
また,法令上,加入者が支払った保険料の総額を年金原資が下回らないという保証はありませんが,以上のような安全かつ効率的な運用に加えて,運用成績がプラスの時に,一定の準備金を確保して,マイナス運用となった時にその準備金から補てんする仕組み(付利準備金)も採用しています。